カテゴリ:リビングデッド、もしくはゾンビ( 129 )
どうか呪ってください
どうか呪ってください。
この腐敗した世界。
この醜悪な世界。
神でもあくまでも鬼でも、なんでも構わない。
どうかこの世界を、呪ってください。

そう祈っていたら、どうやら現実になったらしい。
世界が呪われたのじゃなければ、
どうしてこんな風に、死人が生き返って人を喰うんだ。

正直に言って、僕は、嬉しい。
世界中の人間が皆、ゾンビになってしまえばいいんだ。


でもそうしたら、今度は何を呪おう。
……僕自身でも呪おうか。


神でも悪魔でも鬼でも、なんでも構わないから、
どうか呪ってください、この僕を。
この堕落した僕を。

どうか、呪ってください。


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by zbeat | 2006-05-11 03:02 | リビングデッド、もしくはゾンビ
君の腕を振り解いて、
僕は逃げ出した。

待って、という、君の声が聞こえたような気がしたけれど、
解っている、それは気のせい。
というより、気の迷い。

ゾンビになった君が僕を追うのは、
僕を愛しているからじゃなくて、
僕が君の餌に成り下がったから。

違う、そうじゃない。
君が、僕の捕食者に成り下がったんだ。

君がゾンビになっても愛し続けると言ったけど、
実際、君のことを憎んだりは今もしていないけど、
それでもやっぱり、君に喰われて、
人類の捕食者に成り下がるのは嫌だよ。

君の腕を振りほどいて、僕は逃げ出した。
いつか別の誰かが、あるいは僕自身が、
君を殺すことがあるかもしれない。

だけど僕が僕として存在している限り、
僕の胸の中で、心の内で、
君は昔の姿のまま、優しく微笑みながら、
永久に僕に寄り添い続ける。
そこでの僕は、君の腕を振りほどいたりしない。
手を取り合って。一緒にいるよ。


だから僕は、幸せだよ。


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by zbeat | 2006-05-10 23:29 | リビングデッド、もしくはゾンビ
置き去りの子供
いらないなんて言わないで

子供は、ゾンビに噛まれたが故に、
母親に見捨てられ、置き去りにされた。

その子供は、傷んだ体を引き摺って、
暫くの間、独りで彷徨い続けた。

だが、ゾンビになることはなかった。

その前に、喰らい尽くされた。


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by zbeat | 2006-05-09 00:14 | リビングデッド、もしくはゾンビ
棄ててしまいたいのに
棄ててしまいたいのに、どうしても棄てられないモノがある。
何度も棄てようとしたけれど、結局それはできなくて、
今もまだ、窓辺に置かれたままなのは、
貴方の首。

ゾンビになった貴方の頭を、私は鉈で斬り落とした。
そうやって貴方を葬って、それで終わりのつもりだった。
なのに。
貴方の首は、まだ、窓辺に鎮座している。

だって。
首を刎ねられてもまだ、貴方のその頭は、
生きていたんだもの。
生きていて、それを抱いた私の腕に、
喰らいつこうとしたんだもの。

そのとき。
私はそんな貴方の殺し方も知らなくて、
そんな貴方をその場に棄てて行くこともできなくて、
噛まれないように注意しながら、
首だけになった貴方を連れて帰った。
頭だけになってしまった貴方は、
自分で動くことはできないから、
そうやって一緒にいても、危険は無いと思った。

だけど。
私は、大事なことを忘れていた。
貴方はたしかに生きているけれど、死んでもいるから。
だから腐敗する。

窓辺に置かれた貴方の首は、
どんよりと濁った眼で私を追いかけるけれど、
どんどん腐って、強烈な臭気を放って、
腐汁を滴らせている。
もう何処にも、貴方の面影は無い。

棄ててしまいたいのに棄てられないのは、
そんな貴方をまだ愛しているからでは、もう決してなくて、
ただ単に、そんな腐り果てた貴方に触れるもの厭だから。


だから。
私はここを出て行くから、
貴方はそこで、腐り続けて朽ち果てるが良い。


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by zbeat | 2006-05-07 00:28 | リビングデッド、もしくはゾンビ
刻まれた刻印
額に刻まれた刻印は、
悪魔除けの印だと言っていたけれど。

効果は無かったね。
貴方は結局、ゾンビになった。

でも不思議なことに、貴方は、
目の前に私という恰好の獲物が居るにも拘らず、
私には目もくれず、指一本も触れずに、
何処かへ行ってしまった。

貴方は今も、あの印を額につけて、
この世界を彷徨っているのかしら。

もう二度と逢うこともないだろうけど、
あの悪魔除けの刻印は、少なくとも、
私には、効果があったのかも知れないね。


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by zbeat | 2006-05-06 19:14 | リビングデッド、もしくはゾンビ
手を伸ばし、声を張り上げても
どれほど叫んでも、
救いの手が差し伸べられることはない。

私はこのまま、生きながらにして、
引き裂かれ、喰われ、
奴等と同じ、生ける屍になる。

ああせめて、どうか、それほどは長く、
苦しみが続きませんように。


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by zbeat | 2006-05-05 23:54 | リビングデッド、もしくはゾンビ
この傷がある限り
実は私、昔、ゾンビに噛まれたの。
ほら、ここに傷があるでしょう。

だけど、どういうわけだか知らないけれど、
私はゾンビにならずにすんだ。
本当に、どうしてだかは判らない。

けれど、とにかく私は、いわゆるゾンビにはならなかったの。
いつそのときが来るのかと、それはもう、
心底怖くて恐ろしくてたまらなかった。

でも、1日が過ぎ、1週間が過ぎ、やがて1ヶ月が過ぎ。
とうとう1年が過ぎても、私はゾンビにならなかった。

あれから何年も経ったけれど、今だって、
この傷さえなければ、いいえ、この傷があっても、
ゾンビに噛まれたなんて、とても信じられないでしょう?
私だって、信じられない。


……だけど、ひとつだけ、変わったことがあるの。


それはね、ときどき、無性に人間が食べたくて、
たまらなくなること。
今、目の前にいるあなたのことも、
実を言うと、美味しそうに見えて仕方がないの。


そんな顔をしないで。
あなたのことを捕って喰いはしないから。
すくなくとも、今は。
……でも、私には近づかないほうが身のためかもね。
いつかそのうち、我慢できなくなるでしょうから。

つまるところ、いわゆるゾンビにはならなかったけれど、
やっぱり私はゾンビの一種なのね。

この傷を見て、私はそれを思い出して、
自分を戒めるの。
やつらのようには、なりたくないから。

いつか、たがが外れる日が来るかもしれない。
そうなって欲しくないような、そうなって欲しいような、
なんとも複雑な心境だわ。
今のこれはこれで、辛いものがあるから。

けれど、この傷がある限り、少なくとも、
私は、私がそうだってことを、忘れないよう努力する。


……つもり。


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by zbeat | 2006-05-01 03:16 | リビングデッド、もしくはゾンビ
哀しいうたを、どうか
最期になにを望むかと問われて。
僕は暫し思考した。
僕自身、なにが望みなのか、よく解らなくて。

僕が人間でいられる時間は、もう、そう長くはない。
あと数時間後か、もしかすると数十分後には、
僕は死んで、また蘇る。
僕ではないモノとして。

それまでの、最期の時間に、僕が望むもの。

僕が好きなものを、僕が好きだったものを、
心のなかで、ひとつひとつ、数え上げてみるけれど、
どれもしっくりこない。

それにどうせ、僕には想い出など残らない。
僕が死んで、僕ではないモノのして蘇ったときには、
最期の時間のことなど、覚えてはいない。
なにかを願うなど、無駄なことだ。

それでも、最期になにを望むかと問うてくれた、
この優しい友の為に、なにか、ひとつでも、
僕の望みを応えなければ。
……なんて、本末転倒だけれど。


そういえば、僕は、あのうたが好きだった。
人生に疲れ果てて、心を何処かに漂わせている風な男を唄った、
あの、哀しいけれど、それでも幸せそうなうた。
幸せでありつつも、それでいて、やっぱり哀しい、あのうた。

A simple man with memories of
those long lost golden days
I close my eyes and slowly driftaway

なんだ。
僕にぴったりじゃないか。
今僕は、もう決して戻ることのできない、
抱(いだ)き続けることさえ許されない、
過ぎ去った素敵な想い出を懐かしんで、
そう、漂い、彷徨っている。

だから僕は、友に向けて言った。
あのうたが聴きたいんだ、と。
あの、哀しいうたを、どうか。


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by zbeat | 2006-04-28 19:04 | リビングデッド、もしくはゾンビ
五感、六感、セブンセンシズ セブンセンシズ
五感、六感、セブンセンシズ 第一感
五感、六感、セブンセンシズ 第二感
五感、六感、セブンセンシズ 第三感
五感、六感、セブンセンシズ 第四感
五感、六感、セブンセンシズ 第五感
五感、六感、セブンセンシズ 第六感

そういえば、ものすごくしっかりしたゾンビのことを、
私は忘れておりました。

『スリラー』。


前回、これにて終了などと申し上げておきながら、
結局セブンセンシズ……。

狙ったわけではありません。
いや本当。



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by zbeat | 2006-04-27 19:42 | リビングデッド、もしくはゾンビ
五感、六感、セブンセンシズ 第六感
五感、六感、セブンセンシズ 第一感
五感、六感、セブンセンシズ 第二感
五感、六感、セブンセンシズ 第三感
五感、六感、セブンセンシズ 第四感
五感、六感、セブンセンシズ 第五感

ぐたぐたと、若干強引に続いた今回のテーマ。
最後は『サンゲリア』ゾンビでございます。

『サンゲリア』のゾンビのお姿を見ていますと、
なんというかもう、哀れを催すものがあります。

まず、目は確実に見えていないでしょう。
だって無いもの、眼(笑)。
あれで見えていたら、かえって怖い。
(でも見えていそうな動きをするんだよな……。)
目よりは達者なんでしょうが、耳もあんまり聞こえてなさう。
手許も足許もどうにも覚束ないし、
よろよろ、ふらふら、よたよたと漂うように動く姿は、
これぞまさしく、正しきゾンビの姿(笑)!?
(ロメロゾンビはどうしたよ。)

奥様を召し上がっていたゾンビたちなんて、
人間があんなに近付いてきているというのに、
気が付く素振りも無く、黙々と一心不乱に
お食事を続けていらっしゃった。
(どうでも良いが、他のゾンビ映画のゾンビと比べると、
比較的お食事の仕方がお上品だよね、『サンゲリア』のゾンビ。)

そんな、もうどうしようもなく愚鈍な様が、
かえって素敵なんです。愛しいんです(何事!?)。
あぁ、サメと戦っていた彼は、なんだか妙に生き生きとして、
血気盛んな雰囲気が、人間らしかったですが(笑)。

しかし、五感、身体機能の駄目になり具合は、
『サンゲリア』ゾンビたちがダントツでピカ一っぽいです。
見た目もね。古そう。
……意外に浅いところに埋められていたよな、
コンクェスタドールの死体……。


と、いうわけで。
完全なる私の独断と偏見と趣味および嗜好に基づく
「バタリアン≒死霊>ドーン>ロメロ≧バイオ>サンゲリア」論、
これにて終了。

毎度毎度のことながら、
なにひとつ分析も解析もされず、解決もせず、
投げっ放しジャーマンで。



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by zbeat | 2006-04-26 23:14 | リビングデッド、もしくはゾンビ