消えていくぬくもり
息絶えた愛人の躰を抱いて、女は、その胸に頬を寄せた。
まだ、温かい。微かに。
左手で愛人の髪を梳きながら、女は、右手の拳銃を握り締める。
この温もりが消えるころ、愛人は再び、目を開くだろう。
人間ではない、別の生物となって。
否、生物とは呼べない何かとなるのだ。

蘇る屍たち。

愛人もまた、その得体のしれないモノと成り果てる。
じきに。

それまでは、この男(ひと)を抱いていよう、と、
消えてゆく温もりに縋りつくように、
息絶えた愛人の躰を抱いて、女は、その胸に頬を寄せた。


                 退廃的な100のお題:鳥篭/お題配布場所



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by zbeat | 2006-08-14 23:01 | リビングデッド、もしくはゾンビ
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