煙る夕日を背に
灼熱の大地。
砂煙を朱く照らす夕日を背負い、
覚束ない足取りで歩みを進めていた男は、
暫し立ち尽くし、膝を折ると、
やがて、後方へ、ゆっくりと倒れた。
朱い光の降り注ぐ天を仰ぐように。

上下していた胸の動きが止まる。
動かなくなる。
そこでたしかに、男は死んで。



そのまま、数分が過ぎる。
男が再び起き上がる。
見当識を失くしたように、辺りを見回し、
手を突き、膝を立て、ちぐはぐな動きで立ち上がる。

先刻よりも、さらに覚束ない足取りで、ぎこちない動きで、
男は歩き出す。
煙る紅の空を、深紅の夕日を背負って。

歩いてゆく。
死んだまま。


                 退廃的な100のお題:鳥篭/お題配布場所



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by zbeat | 2006-07-22 23:12 | リビングデッド、もしくはゾンビ
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