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夜行列車より愛をこめて
夜行列車というものは、どうしてこうも、
妄想をかきたてるのでしょうか。


うたた寝をして、ふと目が覚めたら、列車に自分独りだけ、とか。

何気なく外を見たら、そこは異界の地だった、とか。

ふと気が付くと、列車は墓地の真ん中で停まっていた、とか。

停車駅のホームに並んでいるのは、皆ゾンビ、とか。

行き先がいつの間にか多磨霊園、とか(『ゲゲゲの鬼太郎』か(笑))。

何故か自分の姿だけ、窓に映っていない、とか。

窓に映る乗客の姿が妖怪、とか。

窓に映った鏡の世界に迷い込んで出られなくなる、とか。

車掌が死神、とか。


そんなことばかり考えてます。

夜行列車によると、まあ皆さん、
殆どの方がお休みになっていますが、
私は列車の窓から外を眺めるのが大好きなので、
勿体無くて、とてもじゃないが眠れません。
どうにもこうにも致命的な睡魔に襲われてゾンビになりそうなときには、
仕方が無いので諦めて、私もお休みになりますが、
基本的には完全に覚醒しています。

夜行列車なんだから、外なんぞ見ても真っ暗じゃないか、
と言われそうですが、ソ コ が 良 い ん で す (笑)!
真っ暗な中に、ぽつりぽつりと明かりが見えたり、
遠くに街灯や信号がきらめいていたり、
窓の外を踏み切りの赤い光が横切ったり、
暗がりに朧な輪郭の町並みや山並みが浮かんでいたり。
そんな景色を見ていると、夜を独り占めしているような、
なんとも贅沢な気分。
夜の帝王(笑)。

それに、真っ暗な世界を、
そうやって一生懸命見つめていたら、
本当に、この世ならぬモノたちに出会えるかもしれない。

独り車窓の向こう側の世界を眺めながら、
止(とど)まることを知らない妖しげな妄想を友に、
夜行列車の旅。
いっそ、この世界が夜に落ちて、
夜明けなど来なければ良いと思うほど、
幸せな時間です。



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by zbeat | 2006-07-19 20:00 | オカルト
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