無邪気な腕が招く破壊
その一団のなかには、幼い子供も居た。
皆、一様にどす黒くも血の気の引いた、青白い顔色をして、
衣服も、肉体も擦り切れた、ゾンビたちの群れ。
そのなかに、幼い少年の姿もあった。

かれもまた、罪の意識など感じる風もなく、
大人(のゾンビ)たちと同じように、
人間に向かって歯を剥き、小さな手を伸ばして襲い掛かると、
その肉を喰い千切り、貪る。
時折ぎょろりと周囲を見まわす目は、
生気を失っているにもかかわらず、やはり、
幼い子供のそれだ。
世界への好奇心と、すべてのものに対する喜びに満ちた、
無垢な瞳。

不思議なことに、その幼いゾンビの目には、
まだ、年相応の、その子供らしい色が残っていた。

きらきらと目を輝かせて、無邪気な様子で、
まるで手でも繋ごうかというように腕を伸ばし、
その小さな、愛らしい手で、
はらわたを引きずり出している。

その光景を、私は、離れた場所から、
ただ、眺めていた。


                 退廃的な100のお題:鳥篭/お題配布場所



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by zbeat | 2006-04-01 21:10 | リビングデッド、もしくはゾンビ
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