いつか見た夢 一
気がつくと私は、背の高い草の生い茂る、
緑の草原に身を潜めていた。
「There's no way out!」
(もう逃げ場が無い!)
と、だれかが言った。

次の瞬間、何故か私は、大きく海の上にせり出した、
広い屋敷にいた。
何処かのリゾート地なのか、
白い宮殿のような造りの大邸宅だった。
青い海に面した部屋の床は白い板張りで、
床下は海。
水深は大人の背丈ほどだろうか。
窓は大きな一枚ガラスのはめ込み式で、
開けることはできない。
その窓から一望できる光景は、それは美しかった。

白い砂浜に、たくさんのゾンビがいることを除いて。

私には、4人、ないし5人の仲間がいた。
皆男で、私たちは英語で会話していた。
私たちにたいした緊張感は無く、
酒を飲んだり、食事をしたり、テレビを見たりしている。
テレビは特大の液晶ワイドスクリーンだ。
仲間のひとりは、2階のPCでゲームに熱中していた。
長い一本道の洞窟の奥からゾンビが現れ、
カーソルを合わせてタイミング良くクリックすると、
ダメージを与え、倒すことができるらしい。
なにがそんなに面白いのか。
外にはゾンビがうようよと集まってきているのに、
なんとも暢気なことだ。

と、突然、玄関からガラスの割れる音。
玄関の大ホールへ向かうと、扉と、その両脇のステンドグラスを、
ゾンビたちが叩き割っていた。
遂に侵入が始まった。

割れた窓から身を乗り出したゾンビの頭を、
だれかが銃で撃ち抜く。
それを皮切りに、私たちは、大きな板で、
扉に開いた穴や、ガラス窓を塞ぎ始める。
なにしろ大きな屋敷で、どういうわけか無駄に出入り口が多く、
ゾンビたちの手が届く高さに窓がたくさんある。
そのすべてを手分けして塞ぎ、補強して、
私たちはバリケードを造り上げた。
大豪邸も無残な姿だ。

だが、海に面したあの部屋だけは、
まだ手付かずだった。

「How will we do this?」
(ここはどうする?)
と、私は尋ねた。
「Don't they come into from here?」
(ここから入ってこないかな?)
何度か窓を叩いてみせる。
「Well....」
(そうだな……)
暫しの沈黙のあと、仲間が答える。
「It'll never happen, I think」
(そんなことはないだろう)
たしかに、窓にはめ込まれているのは分厚い強化ガラスで、
多少の道具を使ったぐらいでは、ぶち破るのは難しいだろう。
それにここは、殆ど海の上だ。

だから私たちは、各々望むままに部屋に向かい、
娯楽の続きへと戻った。

to be continued....




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by zbeat | 2005-12-04 01:05 | リビングデッド、もしくはゾンビ
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