ゾンビ王国 探索5日目
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ゾンビ王国 探索4日目

さて。
前述いたしましたとおり、この映画、面白かったのですが。
やっぱりそれでも多くの不満があります。
その不満は、DVDの未公開シーンを観ることで
解消されるのかもしれませんが、さしあたって、
劇場版を観ての感想として。

なによりもまず、ロメロのゾンビ映画らしい、終末感が無い!
絶望感が”希薄”なんてものじゃない、
私にはまったくそれを感じ取ることができませんでした。
なんとも楽天的な世界だったように思います。
それはもしかすると、この作品で人間たちの住まう場所に、
”空”が存在することに起因しているのかも。
家だの、ショッピング・モールだの、基地だとの比べると、
やはり、あの要塞には閉塞感がありませんから。

最後には、勿論、破綻を迎えるわけではありますが、
しかし、その先にあるものすらも、希望に満ちているようで、
エンドロールを観ながら、喩えようの無い虚無感を覚えました。
(普通、逆だろ。)
だって、あの先には、ゾンビと人間たちが、
それぞれに棲み分けをした世界が待っていそうじゃないですか。
そういう世界を描いたゾンビ映画というのも、
それはそれで興味があります。
でも、ロメロのゾンビ映画に相応しい先行きではないはず。

そして、この悲壮感の欠如に伴って、
この世界の人間たちの姿も、たしかに恐ろしくはあるものの、
ロメロの映画に特有の生々しさが、
少し抑えられてしまったように思えて残念です。
……いや、それでも十分に怖かったけれど、人間。

キャスティングについても、少々(いや……だいぶ……?)不満。
今回の主要な登場人物は、何故か皆、白人でしたよね。
まあ、この映画に於いて、ロメロが人間よりも、
進化しつつあるゾンビたちの姿に焦点を中てたと考えれば、
ゾンビの”指導者”であるビッグ・ダディが黒人でしたから、
「主要人物のすべてが白人」という表現には、
語弊があるのかもしれません。
しかし、否が応でも『ゾンビ』3部作と比較してしまう、
私たちゾンビ好きとしては、首を傾げざるをえない部分のひとつです。

とはいえ、ジョン・レグイザモやアーシア・アルジェントの存在は、
やはり輝いていましたね。
……デニス・ホッパーには、期待したほどの魅力がありませんでしたが。
(というか、包み隠さずに言えばガッカリ。
あれはもう、「デニス・ホッパーがロメロの映画に出ている」という、
それ自体がひとつの価値になっている。)

もっとも、個人的には、口裂けゾンビとなってもなお美しい、
No.9のジェニファー・バクスターに拍手を送りたい(笑)。
美人はどんな姿になっても美人だ。

その他、ジョン・レグイザモ扮するチョロが、ゾンビとなって
カウフマン(デニス・ホッパー)の前に現れるシーンが、
いまひとつ盛り上がりに欠けるというか、
中途半端に終わってしまったことが、大変哀しいです。
消化不良気味。
ビッグ・ダティが火種を持ってくるのがいけない(笑)。
カウフマンもろとも爆発に巻き込まれて終わりなんて、
いくらなんでも、それはあんまりというものだ。

また、今回は、やたらと”吃驚シチュエーション”(勝手に命名)が
多用されていたのも気になります。
ロメロも、狙ってやっているのだとは思いますが、
ロメロ・ゾンビのロメロ・ゾンビたる所以は、
あの空ろーな、無気力な様相だったはず。
今回は「待ち伏せてガブリ!」とか、
「安心したところで横っちょ(もしくは後ろ)から現れてガブリ!」とか、
「突然現れてカブリ!」とか、そういうゾンビが矢鱈と多かった。

勿論、この”吃驚シチュエーション”も、
ゾンビ映画の大事な大事な要素ではあるのだけれど、
こうも多いと、かえって陳腐さが際立ってしまって面白くない。
観ているほうが、「またか」と思ってしまっては、元も子もないでしょう。
一見首無し、実は背中に首をぶら下げてるあのゾンビなんて、
そりゃたしかにインパクトはあったけど、
そして思わず笑っちゃったけど、
でも、どうなのよ!?と思わずにはいられない……。

だいたい奴は、首と胴がちゃんと繋がっていない体で、
どうやって人間を喰うんだ。
いやその前に、どうやって人間を見つけているんだ(笑)。
若干バタリアン的なゾンビでしたね。

ああ、でも、最初のほうで、首だけになってしまっても
まだ生きている(というのか……?)ゾンビを踏み潰したときの
ビッグ・ダディの哀しげな、憐れむような表情は、
ゾンビに噛まれた人間を殺す人間の姿と重なって、
なかなか感慨深いものがありました。

そういえば、この映画では、ゾンビに噛まれた人間を撃ち殺すことに、
もうなんの躊躇いもなくなってきているようだった。
「助ける手段はない、だからせめて人間として死なせてやる」という、
その行為の苦しみや尊さのようなものが無いのは、やはり切ない。
それさえも失った人間の姿を、人間とゾンビの対比として、
ロメロは描きたかったのかもしれないけれど。

うむ、こうしていろいろと書き殴っていると、
素晴らしいなんて言いながらも、
後から後から不満が出てきてしまう……。

そして気がつけば、本日もまた、こんな長文。


続くんです。




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by zbeat | 2005-11-08 00:53 | リビングデッド、もしくはゾンビ
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