ゾンビ王国 探索4日目
ゾンビ王国 探索初日
ゾンビ王国 探索2日目
ゾンビ王国 探索3日目

それでは、予告どおり、これよりネタバレで参ります。

冒頭から登場の、楽器を手にしたゾンビたち。
かなり強烈なインパクトがありました。
チューバとトロンボーンとタンバリンで、
「ブー」「ボー」「パンッ」。
思わず笑ってしまいましたが、よくよく考えると、
とても物悲しいシーンです。
彼らは生前、きっと音楽家だったのでしょう。
ゾンビと化してもなお、
愛する楽器を手放さずに抱えている姿は、
沈み行くタイタニックの上で、最期まで演奏を続けた
カルテットに通じるものがあります。
(そうか?)

終盤、ゾンビたちが武器を取り始めるなか、
タンバリンを持っていた彼もまた、そのタンバリンを置き、
武器を手にする姿に、とても胸が痛みました。
そして、彼にはどうせならタンバリンで
人間を殴って欲しかった(笑)。

花火に見蕩れるゾンビたちの姿にも大笑いしたのですが、
そのときは、これが伏線になっているとは思いもしませんでした。
なるほど、この映像によって、
彼らが知能を持ちはじめ、学習する存在となったことを、
終盤で再度印象づけているわけです。
ありがちといえばありがちなのですが、
ロメロがやると、なんともいえない絶妙な味わいがありますね。

『ランド・オブ・ザ・デッド』のゾンビたちは、
知能を持ったぶん、表情が豊かになり、当然感情もあるので、
全体的に恐ろしさは減退しているように思います。
寧ろ、愛らしい(笑)。
ただ、人間を襲う理由が、食欲(本能)ではなく、
怒りに基づくようになってしまったことは、
やはり若干引っかかります。
無条件と不条理が、ロメロ監督のゾンビ映画における
世界観の魅力でもあると、私は考えているので。

強く印象に残っているのが、
(主に裕福な)人間たちの暴挙の数々。
ゾンビを捕まえて射撃の的にしたり、
記念写真を撮ったり、
女の子(ってかアーシア)を餌に、檻のなかで闘わせたり。
ゾンビはおろか、人間さえも人間と見ていない、この恐ろしさ。
やはり現代社会を皮肉っているんでしょうね、ロメロは。

ああいったシーンを見ていると、人間とはなんと醜いものかと、
切実に感じざるをえません。
自分もまた人間であることが、大変悲しく思われてきます。
花火に釘付けになったゾンビを
バンバン撃ち殺していくのも、同じこと。
たしかにフィクションではありますが、
実際にあんな世界になったら、きっとこうなるのだろう、
と、容易に確信できてしまいます。
ロメロのゾンビ映画の凄いところ。

レコニング号の造型は、荒廃と技術とが見事に融合し、
美しいと思いました。
一見すると大柄で無骨で、レトロな雰囲気なんですが、
その実かなりハイテクじゃないですか、レコニング号。
操縦者のおねいちゃんがこっそりと美人だったのも良かったです。
でも……天井のハッチにも、蓋を付けようぜ(笑)。

そして、タワーにゾンビたちが雪崩れ込んでくるシーン。
不必要に長かった気がしなくもないですが、
迫力があって大変楽しめました。
人間たちへの同情は、これっぽっちも感じなかった。
逃げ惑う人間たちの姿を見て、
「ざまあ見ろ」ぐらいのことを思ったのは、
きっと私だけではないはず。
……と、思いたい(笑)。

ゾンビがへそピアスを食いちぎるあのシーンは、
地味に、しかしもの凄く痛そうだったなあ。
ひっそりと、マイベスト。

それにしたって、もう少し
頑丈な建物にすれば良いのに……(笑)。

以上、印象に残ったシーンの数々。
こういった素敵なシーンが各所に散りばめられていて、
メリハリの効いた演出に、すんなり引き込まれました。
もっとも、どんより、鬱々とした映画のほうが、
私の好みなんですけどね、本当は。


そして、また続く。




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by zbeat | 2005-11-06 23:37 | リビングデッド、もしくはゾンビ
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